塩釜観光の定番、塩釜神社。参拝の後は、ぜひ立ち寄りたいのが「おさんこ茶屋」です。
江戸時代から続く老舗の味が楽しめる、地元の人にも愛される和菓子屋さん。特に人気なのが、五色に彩られた見た目も美しい五色団子です。今回は、そんなおさんこ茶屋の魅力をたっぷりとお伝えします。
おさんこ茶屋の歴史
鈴木家の初代は江戸時代、この地で寺社建築を手がけていた鈴木喜惣(きそう)右衛門(えもん)という宮大工で、仙台藩主も休泊した西町の老舗菓子舗・越後屋(三井家)の昔の建物や、旭町の東園寺の旧本堂の建築などに関わったという。同家によれば喜惣右衛門は棟梁(とうりょう)で、藩から苗字(みょうじ)帯刀(たいとう)を許されていたともいう。ところで仙台藩はかつて御家騒動の寛文事件によりお取り潰しの危機に直面したが、存続を許された後は幕府に遠慮して、仙台城下での遊郭(ゆうかく)や芸能興業を禁止していた。その代わり塩竈ではそれらを公認したので、御釜神社から西町に至るこの辺りは遊郭街となり、鹽竈神社の参拝を兼ねて遊興に来る人々でおおいに賑わった。
その際、鈴木家の屋敷は芸能興業の会場として使われたという。宮大工であった屋敷は大きく、店を兼ねた住居は道側から土間、奥に向かって十畳、八畳、六畳の続き間になっていたらしい。そこで奥の六畳間を舞台とし、続き間と土間を客席として、芝居・寄席・浪曲・義太夫などが演じられたという。
茶屋は二代目喜惣右衛門の妻が本業の片手間に自宅の軒先を使って始めたものとされ、これが繁昌したので、その後、鹽竈神社の境内にも出店を出すことが許されたという。この茶店を継いだ娘が「さん」といい、その容姿が評判となって店は一層繁昌したので、その名をとって「おさんこ茶屋」と呼ばれるよ
うになったという。
茶店では、団子はもとより飯物や麺類、おでんなどの煮物、酒や肴なども売られ、元朝参りやお祭り、花見の時などは店内は足の踏み場もないほどの混雑ぶりであったという。
現在はおさんから数えて六代目となり、塩竈名物の五色団子を製造販売する老舗として営業を続けている。令和元年十月 文 斎藤善之(東北学院大学教授)
設置 塩釜商工会議所
おさんこ茶屋の五色だんご
おさんこ茶屋の看板メニューは、五色の餡が美しい「五色だんご」です。
注文を受けてから、できたてのあたたかい団子に、あんこ、ごま、醤油、くるみ、ずんだの5種類の餡を丁寧にからめてくれます。
もちもちとした独特の食感が特徴の団子と、風味豊かな餡との絶妙なハーモニーは、地元の人はもちろん、観光客の方からも大人気です。
【ご予約について】
できたての味を楽しんでいただくため、事前にご予約いただくことをおすすめします。お電話でご予約の上、お立ち寄りください。
【お召し上がり方について】
現在は、店内での飲食は一時休止しており、お持ち帰りのみでの販売となっています。(2025年11月現在)
メニュー表
こちらが名物の「だんご折詰」と餅が入っている「おまつりセット・四色もち折詰」です。
お餅のみの販売もありました。
今回は一番人気の「だんご折詰(小)」を購入して、家でいただきました。
あんこ
こしあんの優しい甘みに、ほんのりとした塩味がアクセントになった上品な味わいです。甘すぎず、飽きずに食べられます。
ごま
ごまの香ばしい風味が口いっぱいに広がり、鼻から抜ける香りがとても心地良いです。予想以上に甘いのが特徴です。
醤油
甘すぎず、醤油の風味と団子のもちもちとした食感が絶妙に調和した、上品で飽きのこない味わいです。
くるみ
くるみ団子の餡は、白餡のような上品な甘さがベース。くるみの味は控えめですが、粒を噛むたびに香ばしい香りが広がり、風味豊かな味わいです。
ずんだ
枝豆の風味たっぷりのずんだ餡が、お団子のもちもちとした食感とよく合います。甘さはかなりしっかりめで、甘いものが好きな人にぴったりだと思います。
おさんこ茶屋お店情報
場所
- 住所:塩竈市本町11-12
- アクセス:JR本塩釜駅から徒歩約10分
- 電話: 022-362-0946
- 営業時間: 9:00-17:00(売り切れ次第終了)
- 定休日:不定休
- 支払い:現金
- HP:おさんこ茶屋本店
駐車場
お店から二軒戻ったところに2台程度の駐車場スペースがあります。